法律関係のテキスト、書籍の選び方と落とし穴

法律関係の書籍って分かり難くありませんか?

例えば、何かの資格試験を始めて勉強しようと思った時、
苦手科目の分かり易いテキストを探しに行った時、
本屋に行くと法律の書籍の多さと、その偏りに驚かれることが多いと聞きます。

法律の書籍コーナーはなぜ分かりにくいのか?

それはズバリ、法律の書籍には、大きく分けて2つのタイプがあるからです。

その2タイプをしっかりと区別して設置できている本屋さんは、正直今まで見たことがないです。

そこで今回は2タイプの書籍の特徴と区別方法の説明を通して、
法律の勉強の際の、書籍の使い方について案内したいと思います。

法律書には2タイプある

法律関係の書籍には「参考書」と「学術書」があります。

「参考書」とは?

参考書は、例えば資格試験合格であったり、大学の講義についていけるようにであったり、
「誰かが勉強をするために」作成された書籍です。
法律関係の参考書の大半は、資格名×法律名で探すと、分かりやすくなっています。
例えば、「行政書士合格のための民法」のようなものです。

参考書の探し方

こちらは、主に「資格試験コーナー」に資格別、出版社(予備校)別で並んでいます。
そのため、例えば行政書士の行政法のテキストが欲しい場合は、
大体の場合は各出版社ごとのコーナーを歩き回って、見比べることになります。

参考書探しをやりやすくする方法

そのため、「この本いいよ!」と人に勧められて探す際には、出版社を聞いておかないと、
題名だけで探し当てるのは相当困難です。

参考書の選び方

実際に見比べて選ぶ際の注意点は、まずは「一番新しい版のものか?」です。
大手の本屋であっても、例えば2016年版と2015年版が並べて置いてある、
1、2つ古い版が置いてあるなどのトラップが多く仕掛けられています。
法律は毎年必ず改正があり、かつ改正があった内容ほど試験に出やすいという特徴があります。
そのため、その本がちゃんと最新の改正に対応しているかは死活問題です!!!

改正以外は、個人の好みです。

正直、それ以外は書き方や論調が自分に合うかどうか、見やすいか、持ち運びやすいかなどで決めてもらえれば、
各予備校別に「これでなくてはダメ!」というような格差はあまりありません。

とにかく、とにかく、最新の版のもの、受験する年度のものを購入してください!
中古で版落ちのものを買うのは、飲食店でなくなったメニューを必死に覚えようとするようなものです。

参考書選びの落とし穴

「あれ?参考書選びってそんなに難しくない?」と思った方、実は参考書選びには落とし穴があるのです。
それは先程の「探し方」で私が「主に」「大体は」と書いていたり理由でもあるのですが、
ズバリ「予備校以外が書いたテキストは、基本書コーナにある」ということです。

基本書と見分けにく良テキストが隠れていることも

例えば、どこかの大学教授が書いたテキストがとても評判の良い場合、
それは残念ながら参考書コーナーには置いてありません。
「法律」という別カテゴリの棚で、著者別に並んで置いてあるのです!!

わかりやすいテキストは、どちらにあるのか?

そのため、例えばある程度勉強が進んで、
「あまりに初心者向けの細かすぎるテキストは嫌だから、ある程度まとまっているものが欲しいな」
という場合には、予備校の参考書と法律コーナーにあるテキストを見比べる必要があります。
しかも、資格試験コーナーよりも法律コーナーの蔵書の方がたくさんあって選びにくく、
本屋ごとのラインナップも異なります。

運命の1冊に出会うコツは、たくさん見ること

そのため、できるだけ大きめの本屋で、何冊も見て回ることが必要です。
自分にとってしっくりくるテキストがあれば、勉強もはかどりますので、
この作業は決してネットの評判だけ見て決めたりせずに、自分の目と手で決めてくださいね。

基本書の探し方

基本書とは、学者が自分なりの体系立てた書き方で、まとめたものです。
こちらは「法律」コーナーに、ざっくりと書いてある内容(〇〇法など)で分けて置いてあります。
基本書を通読する・・・という場面は資格試験対策ではあまりないかもしれませんが、
例えば学部の卒業論文を書く場合などは、同じ法律に関しても一つの視点だけではなく、
色々な視点で検討する必要があるため、基本書を使用することになります。

理系出身者には人気の基本書

また、テキストに比べて図やイラストが少ない分、著者なりに体系化したグラフが表が入っていることもあり、
理系学部を卒業して、法律系の資格を目指す人には、こちらの方が読みやすいといったメリットもあります。

基本書の選び方

基本書を選ぶ際には、「著者がどういった人なのか」に注意しましょう。

立場を理解して読まなければ、危険な基本書

例えば、資格試験を作成している立場の人なのか、制度を作った人なのか、
それとも特殊な学説を展開する人なのか。
例えば、判例などをひたすら批判するような内容の著者であれば、
卒業研究のための資料としては良いかもしれませんが、資格試験対策としては最悪です。
その教授にいくら共感しても、資格試験の回答の選択肢は判例通りであるため、
単に無駄知識が増えただけになってしまいます。

基本書の落とし穴

上でも少し書きましたが、各教科には、予備校本すらそれを参考にしているような、とても有名な基本書があります。
それらは実は辞書のような厚みをしていて、通読するのはほぼ不可能です。
そのため、資格試験には基本書での対策は危険な部分が多いです。
例えば、理解の及んでいない範囲を少し読んでみる位であれば問題ありませんが、
不要な知識や学説を詰め込んで、勉強している気になって、何年も落ち続ける人がいるもの事実です。

基本書には、あまり頼りすぎないことが重要

法律を根本的に理解するには、判例の背景や学説の背景、
はたまた、法律の背景にある哲学や歴史なども学ぶ必要がありますが、
それはあくまで「知識」「教養」として行うべきであり、
資格試験への合格を目指すという目標の場合は、あまり好ましくないでしょう。

実務では基本書しか使わない?

ただし、現場に出ると完全逆転します。
なぜなら、資格試験に出るような「簡単に答えがわかる」ような問題であれば、わざわざ専門家に頼まないからです。

事件は、現場で起きている!!

実務で起こるのは、「こんなの習ってない!」「試験に絶対でない!」ような知識であったり、
「こんなの誰も経験したことがない!」「本に載っていない!」ような内容が問われるもはや「事件」です。

本にも論文にも載っていない、そういう問題に解答を出すには、
基本書を読み、どういった思考で考えればいいのか、法的な根拠をを探し、法的思考で考え抜くことが必要です。

資格試験の際には、基本書に深入りするのは我慢しましょう

実際に仕事をしていると、探しに探した結果、
読んだことないような本のコラム欄などに、答えやヒントが書いてある場面にはよく遭遇します。

そのため、基本書は、ぜひ資格試験に合格した後の楽しみ(苦しみ?)として、
今は取っておいて、後々にお付き合いしてくださいね。

じゃあ、「判例本」は?

いかがだったでしょうか?
ちなみに、法律には他にも「判例本」という、ひたすら判例の解説が載っているものがありますが、
こちらも辞書的に使用するもので、通読するものではありません。
正直、行政書士試験レベルであれば、判例は概要と結論を覚えてしまえば、
深く読み込むことはないので、不要だと思います。
(司法試験では、むしろしっかり読み込むことが重要になるそうですが・・・)

まとめ

法律の書籍は本の種類が多く、女性の服のトレンド並みに毎年変わるので、
合格するまでに長期間が有すると、覚える知識もどんどん変わっていきます。

ぜひ、みなさんは短期合格していただいて、(よかったら、行政書士に短期間で合格する方法の記事も参考にしてください)
早く実務相手に、基本書と論文相手を片手に格闘していただきたいものです。

そしていつか、法律の実務の世界でお会いしましょうね!!