理系でも法律資格って目指せるの?

なぜ、理系でITが得意だと「法学」も習得が簡単だと言われるのか

「簡単」はちょっと言い過ぎかもしれませんが、ITと法律には似ている部分が多く、理系学部の中では、一番相性が良いと言われています。

法律を勉強するために必要なのは「論理的」思考回路

日本の法律に限らず、ルールを作る際には、重複している部分をいかにまとめて書くかが重要です。

全部の条文にいちいち細かく追記していたら、余計分かりづらくなりますよね?

そのため、法律では「総則」と呼ばれる部分に全体に共通部分を抜き出して、まとめています。

法学部の多くは文系出身者ですが、その文系人間が一番つまづくのがこの書き方です。

そう、実は法律の「総則」は、プログラミングのオブジェクト指向そのものなのです!!

一番基礎となる「民法」が、まずオブジェクト指向の塊

例えば、民法総則では

第四条に「年齢二十歳をもって、成年とする。」
第五条に「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。」

という記載があります。

「上位層のルールは下位層にも当然の前提として適用される」

理系の人であれば割とピンとくると思うのですが、一応解説すると、総則の記載は総則以降すべての条文に共有するルールであり、契約を行う際も、相続を行う際も、このルールは変わりません。

つまり、上位層のルールは下位層に適用されますが、下位層のルールはもちろん上位層にはダイレクトには影響を与えません。

(たまに、例外として上位層ルールが免除される場合がありますが・・・)

「え?そんなの普通じゃない?」と感じるのであれば、イケる証拠

普通じゃないんです。

大事なことなので2回言います。普通じゃないんです!!

管理人は法学部入学当時はこの構成に頭を悩ませたものでした。。。

「見えないところにある上位ルールに縛られる??え、じゃあこのルールだけわかってもダメ??

上位ルールにある縛りも適用される?じゃあどこまで確認すればわかるの!?」

これって案外文系人間にとっては受けれ難いルールなのです。

理系の人間は、条文の構成を直感で理解出来るから強い

オブジェクト指向を知っていれば、条文についても「そういうもの」という認識で勉強ができるため、例えば条文を見ている時に「あれ、これ総則に違反するけど例外なの?」というような発想にすぐに到達します。

文系人間では、それが本当に難しく、「なんで総則と各論で違うの?」「2回言っているの??」となる場合も多いのです。

そのため、学習の段階で、理解が早く直感で「なんとなく」理解ができるので、理系の論理的思考が「法学」にはとても相性が良いと言われています。

言葉の定義にうるさいのも、法律では大事な素養

これも一つの利点と言われているのですが、理系技術者の人は言葉の定義にうるさい人が多いです。

「本契約書に出てくる数字は2進数とする。」

これは、実際に私がIT会社で法務研修を受けた時に話ですが、「契約書を作ろう」という研修で、第1条にプログラマーが書いた一文です。

センスあるなぁ・・・

周囲はみんなこの一文に対して爆笑していましたが、私は感動していました。

この文を入れた理系人は「だって16進数と2進数だったら、損害賠償の額とか全然違う!それはリスクだ!!」と言っていましたが、本当にその通り、条文や契約書の文言には、本来解釈の余地があってはならないのです。

解釈が異なるからこそ「こう取れる」「いいや、俺はこう考えた」という争いが起きるため、法律には大体文言の定義が載っていて、法律家も大体言葉の定義にはうるさい人が多いのです。

それに対して文系は、自分の解釈で文章を書きやすい

司法試験の論評でもよく「中間を省略せずに、分かりやすい文章を書くように」と言われている位、文系人間は「この文言は当然こう使われる、このルールはもちろんこう読む」と勝手に自分で定義してしまいやすいのです。

これは、個人の得意・不得意の問題もありますが、理系の方がより論理的思考に優れており、感情的、主観的要素を排除することに長けていることと関係があるようです。

最近、理系から司法試験を目指す人が増えている?

そして実は、最近の動向として、理系学部卒業後に法律資格を取得する人が増えているのです。

予備試験開始により、理系からの司法試験受験が現実的に

その原因の一つのされているのが、司法試験の前哨戦となる「予備試験」です。

実は予備試験の択一には「一般教養」という科目があるのですが、これが完全に理系優位と言われているのです。

司法試験予備試験の過去問を一問見てみましょう

今年の予備試験の一般教養には、こんな問題も出されました。

<平成28年度予備試験択一 一般教養第26問より引用>

DNA を構成する塩基は 4 種類有り,ピリミジン塩基がシトシンとチミン,プリン塩基がグアニンとアデニンである。
DNA 変異の中に塩基置換があり,ピリミジン塩基がピリミジン塩基に,プリン塩基がプリン塩基に置き換わる場合をトランジション,ピリミジン塩基がプリン塩基に,プリン塩基がピリミジン塩基に置き換わる場合をトランスバージョンという。
ある塩基から別の塩基への置換が,塩基の種類にかかわらず同頻度で起こるとすると,トランジションとトランスバージョンの比として正しいものを,次の1から5までの中から選びなさい。

「こんなの、解けるかい!!(文系の心の声)」

まぁ、一般教養の問題は出題数もそこそこあるものの、法律科目でちゃんとカバーできれば、上記のような問題は解けなくても、もちろん文系でも合格できます。

ただ、一問が合否を分ける試験において、理系は一般教養で少し稼げる分、法律の勉強の「不足を補える」というのはアドバンテージになるでしょう。

もちろん、法律の出題の方が数が多いので、法律の勉強を一切しなくても簡単に司法試験に挑戦できるわけではありませんので、そこは悪しからず。

予備試験に一般教養科目がある意味とは?

司法試験の受験資格が得られる試験に「一般教養」という科目があること自体、日本の司法が理系も含めて、法学部以外の色々な経歴のある人を求めている証と言われています。

法律はあくまで「現実の問題」を解決する手段に過ぎないので、単なる勉強が得意な文系(というと語弊もありますが)だけでなく、「現実の問題」をよりリアルに感じられるような立場の人が、「法律」を道具として社会的な問題解決をしてほしいという思いが、日本社会からの司法に対する要請としてあるということでしょうか?

法律と理系の間、「弁理士資格」という道

また司法試験経由で弁護士になること以外にも、理系出身者に人気な法律系資格としては、「弁理士」というものもあります。

弁理士は特許に関する申請を扱いますが、これが技術の中身が分からなければ申請書を書くのが難しいんです。

例えば・・・

2本指で撫でるだけで、画面をスクロールすることができる技術

この特許をとる際には、どう言った内容の申請をすればよいでしょうか?

タッチパッドの特許なのか、プログラミングの特許なのか、ページデザインの特許なのか??

そういったことは、やはり文系より理系出身者の方が理解が早く、また話が通じるため、実際のメーカーとの打ち合わせなどもうまく進むことが多いようです。

「弁理士資格」でもIT系出身優位って嘘??本当??

最近の特許の流行りとしては、やはりITに関するものが多く、最先端の技術に聡いという理由で、IT出身の弁理士の先生も増えているようです。

しかし、日本の特許制度は諸外国に比べても色々な課題があると言われており、もちろん、商標や機械器具、科学製品などに詳しい弁理士の先生のニーズも依然として高いままです。

つまり、弁理士試験に関しては、「IT有利」というよりは「理系有利」と言った方が正しいでしょう。

弁理士試験の合格率は明らかに理系優位

実際の合格者の出身校系統別(平成27年度試験)の内訳を見てみると、理工系:82.4%、法文系:13.5%、その他:4.1%となっています。

法律系資格でも唯一と言って良いほど珍しい、理系優位の試験なのです。

さらに加えて、理系資格の取得で、試験科目の免除制度があります

弁理士資格については、免除制度が充実しているのも魅力です。

技術士、一級建築士、第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、薬剤師、情報処理技術者、電気通信主任技術者については、選択式の論文試験の免除が認められています。

そういった背景もあり、理系が優位な試験となっています。

法律と不動産の間、「土地家屋調査士」という道

「土地家屋調査士」は実際の土地を測量し、区画や境界をしっかり管理できるよう登記の申請をしたり、紛争の仲介をする仕事ですが、こちらも実際の測量や住居に関する知識が必要なため、理系出身者に人気の資格になります。

また、合格者の数が少なく、1つ1つの仕事の単価がかなり高いので、合格後、すぐに独立しても仕事を得られるという点でも、かなり人気の出てきている資格です。

土地家屋調査士の仕事内容とは?

実際の仕事としては、新築で家を建設した場合などに、測量して登記を行います。

そのため、ハウスメーカーや司法書士との連携で仕事をする場面が多いようです。

測量の結果が、国への税金納付への基準にもなり、登記の結果は不動産が存続する限りは登記簿や公図に残るため、まさしく「地図に残る」仕事を行うことになります。

そのため、かなり細かい点まで含めて、測量、登記手続きを正確に行う必要があります。

ちなみに、試験内容は、不動産登記法などの法律科目に加えて、平面測量10問/作図1問が出題されます。

そのため、土木系出身者にとっては有利な試験にもなります。

実際の試験問題を見ても、明らかに理系優位

平成27年試験の午前の部の第6問

縮尺 1/1000 の地形図上に,標高 66. 5 mのA点と標高 59.0 mのB点がある。
A点及びB点間の水平距離を 90.0 mとし,A点及びB点の傾斜が一定であるとする場合,A点及びB点を結ぶ線分上において,A点から最も近い等高線までの図上距離として最も近いものは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。ただし,等高線は,標高 0 mを基準とし,1 m間隔とする。

もうね、文系の管理人には問題文が理解できません。。。

理系が法律資格を目指す場合の注意点

では実際に理系から法律資格を目指す場合は、どう言ったことに注意が必要でしょう??

独学は絶対にしないこと

やはり、文系の勉強をしたことのない理系の人が、いくら相性が良い部分があるとは言えども、弁護士、弁理士という難関試験に挑むには、正直独学は厳しい部分があります。

(行政書士くらいなら合格できると個人的には思っていますが。)

理系学問と違い、最初は暗記でどうにかなってしまう文系学問は、初めて勉強をする際に、「どうやって」という近道を知らなければ、ひたすら単純暗記に走ってしまい、論理的な推論力などがつかず、誰よりも知識はあるのに不合格・・・といった泥沼にはまりやすいのです。

そのため、しっかりと予備校や通信教育を利用して、試験対策をするのが良いでしょう。

司法試験・行政書士・弁理士資格対策にオススメの通信教育

基本的に、法律の学習を始める際には、こちらの通信教育がオススメです。

「興味がある」時点で高価な予備校講座を買って後悔するよりも、まずはインターネットでお試し講座を受けることができる通信教育で、目指せそうか、どれくらい自分の時間をかけられそうかなどを考えてみましょう。

また、無料講座を一度見ることで、自分の中に講義の「分かりやすさ」「分かりにくさ」の基準ができるため、他の予備校の資料請求や無料講座の際などにも「どこを見て」講座を選べば良いのかが感覚値として分かります。

オススメ:オンライン予備校【資格スクエア】はこちら

土地家屋調査士対策は、合格者の8割が通う予備校一択

法律を勉強する際には上記オンライン予備校がオススメですが、唯一、土地家屋調査士を目指す場合は、違います。

実は、土地家屋調査士の合格者の8割は、同じ予備校出身なのです

8割合格者を出している予備校があるのに、わざわざ他の2割に入りに行く必要はないでしょう。

オススメ:東京法経学院はこちら

まとめ

理系出身者が法律資格に挑戦しやすい理由は

・IT系の出身者は、法律の勉強に親しみやすい
・理系の定義の細かさ、ものの考え方は法律でも十分通用する
・理系出身者が法律資格に挑戦する機会が増えている

ということです。

そして資格試験のオススメの予備校・通信教育は

・土地家屋調査士であれば必ず東京法経学院

・その他、一から法律の勉強を始めるなら、最初は必ず資格スクエア

みなさんが新しい進路を見つけて、ぜひ法律の世界でいつか一緒に仕事ができますように!!